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2026-10-14

平地林とは——武蔵野で畑の土をつくってきた林を、資料で読む

平地林とは、平地にある林のことです。武蔵野では江戸時代から人が木を植えて育て、その落ち葉を集めて堆肥にし、畑の土にしてきました。辞書・埼玉県・農林水産省・三芳町・練馬区の資料から、平地林の意味と使われ方、練馬に残る樹林地の制度をまとめました。

葉を落とした白い木立を背景に、落ち葉をためたくぼみの中に人が集まり、かがみ込んで落ち葉を混ぜているドローイング。空は淡い黄色。落ち葉堆肥の切り返しのイメージ。

平野部で人工的に整えられた林を、「平地林」と呼びます。

今回は、平地林が持つまちでの役割について調べていきます。

平地林とは、平地にある林

デジタル大辞泉(小学館)の「平地林」は、「平地にある林」です。書かれているのはこの一文だけで、面積や樹種の条件は載っていませんでした。山地の林と区別するための語のようです。

(出典:コトバンク「平地林」デジタル大辞泉|確度:辞書の記載そのまま。二次情報)

武蔵野の平地林は、人が植えて育てた林

埼玉県のページには、平地林について「木々の落ち葉を掃き集めて堆肥にして畑に入れ、土壌を改良してきました」と書かれています。江戸時代から木々が植えられてきたもので、360年以上にわたり続けられてきた伝統農法とされています。

農林水産省のページでは「木々を植えて平地林を育て、落ち葉を集めて堆肥として畑に入れ」と説明されています。

三芳町のページには、農家が屋敷林・農地・平地林を管理しているとあり、平地林は地元で「ヤマ」と呼ばれていると書かれています。

この農法は2017年に日本農業遺産、2023年に世界農業遺産に認定されました。対象は川越市・所沢市・ふじみ野市・三芳町の4市町です。

(出典:埼玉県「世界農業遺産『武蔵野の落ち葉堆肥農法』」/農林水産省「埼玉県 武蔵野地域」/三芳町「武蔵野の落ち葉堆肥農法」|確度:県・国・町が公開しているページの記載そのまま)

資料平地林についての記載
デジタル大辞泉平地にある林
埼玉県落ち葉を掃き集めて堆肥にして畑に入れ、土壌を改良してきた
農林水産省木々を植えて平地林を育て、落ち葉を集めて堆肥として畑に入れる
三芳町農家が屋敷林・農地・平地林を管理する。地元では「ヤマ」と呼ぶ

練馬の樹林地は、どう呼ばれているか

今回読んだ練馬区の資料には、「平地林」という語は出てきませんでした。区の資料で樹林地を指していたのは、次の制度です。

保護樹林・保護樹木

保護樹林は「高さがおおむね5メートル以上の高木を主体として構成されており、樹冠投影面積が300平方メートル以上のもの」。保護樹木は「地上から1.2メートルの高さにおける幹の周囲が1.5メートル以上のもの」とされています。

(出典:練馬区「保護樹木・保護樹林制度について」|確度:区が公開しているページの記載そのまま。ページの更新日は2024年5月17日)

憩いの森・街かどの森

「樹林地等を所有者からお借りし、区民の皆さんに開放しているもの」と書かれています。憩いの森は1,000平方メートル以上、街かどの森は300〜999平方メートル。憩いの森37か所、街かどの森6か所の、合計43か所とありました。

はじまりは昭和50年で、大泉町一丁目にある樹林地にカタクリがたくさん自生しているのが見つかったことからだと書かれています。

(出典:練馬区「憩いの森・街かどの森について」|確度:区が公開しているページの記載そのまま。ページの更新日は2026年3月26日)

区分面積の条件箇所数
憩いの森1,000平方メートル以上37か所
街かどの森300〜999平方メートル6か所
保護樹林樹冠投影面積300平方メートル以上記載なし

落ち葉の行き先

落ち葉を集めて堆肥にし、畑の土にする。武蔵野でこれが360年以上続いてきたことは武蔵野の落ち葉堆肥農法に書いています。

練馬でも落ち葉は集められています。区の落ち葉清掃は、令和7年度に区内6か所の保護樹木・保護樹林地で全19回、のべ217名が参加して行われたとありました(出典:練馬区「落ち葉清掃」|確度:区の記載そのまま)。

集めた落ち葉の行き先が、まちの居場所になっていく。その形については落ち葉遊び場とは何かに書いています。林と畑が隣り合って残っている練馬の農地のことは練馬区に、東京23区の農地の約4割があるに。

資料から見える傾向

  • 辞書での「平地林」は「平地にある林」で、面積や樹種の条件は書かれていない
  • 武蔵野の平地林は、江戸時代から人が木を植えて育てた林で、落ち葉を堆肥にするために使われてきた
  • 三芳町の資料では、平地林は地元で「ヤマ」と呼ばれている
  • 今回読んだ練馬区の資料に「平地林」という語はなく、樹林地は保護樹林や憩いの森として扱われている
  • 練馬区の憩いの森・街かどの森は合計43か所で、いずれも所有者から借りている樹林地
  • 平地林の面積を示す統計は、今回調べた範囲では見つからなかった

関連:落ち葉遊び場とは何か/武蔵野の落ち葉堆肥農法/練馬区に、東京23区の農地の約4割がある

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