2026-09-18
バイオネスト——剪定枝で編んだ囲いに、落ち葉をためる
練馬区内の樹林地と農地で見てきた、落ち葉の置き場の記録です。枝を組んだ囲い「バイオネスト」と、畑の脇に積まれた落ち葉の山。名前の由来、つくり方、自治体が挙げる利点、手のかけ方のちがいを、公的な資料で整理します。

落ち葉の行き先を見にいくと、置き方の違う山に出会います。練馬区内の樹林地と農地で撮ってきた写真と、公的な資料で分かることを並べます。
樹林地の中の、枝で編んだ囲い
2025年12月21日、練馬区内の樹林地で見たものです。
- 細い杭を地面に等間隔で立て、その内側に枝を渡して、低い囲いがつくられている
- 囲いの中には、枝についたままの葉と落ち葉が積まれている
- 杭のあいだには黄色いテープが張られている
- 囲いの外の地面は、一面が落ち葉に覆われている
同じ林の別の場所にも、同じつくりの囲いがありました。こちらには小さな看板が立っていて、「バイオネスト」と書かれています。
バイオネストとは何か
自治体と公園の管理者が公開している資料に、次のように書かれています。
| 項目 | 資料の記載 |
|---|---|
| 定義 | 剪定作業や下草刈りで発生した枝葉や草を利用してつくる、自然の風景と違和感のない堆肥置き場 |
| 名前の由来 | バイオ(bio)=生命、ネスト(nest)=巣。鳥の巣に似た形から |
| つくり方 | 管理作業で出た剪定枝や樹木の幹を組み合わせて土台にし、落ち葉や刈草を投入する |
| 分解のしかた | 切り返しや菌の添加をせず、気温・降雨・昆虫・土壌動物・自然界の菌糸で分解が進む(公園財団の記載) |
| 始まり | 国営木曽三川公園・138タワーバークで2019年から。2019年3月から2023年1月までに80基 |
府中市の資料は、バイオネストの利点として次の6点を挙げています。
- 現地での処分ができる
- カブトムシなど昆虫の幼虫の生息地となり、生態系の多様性が向上する
- 樹林の管理を続けるなかで出る枝葉を、年をまたいで受け入れられる
- 自然地のモニュメントとしての景観的な価値がある
- 協働作業を通じて、管理の楽しさや重要性の認識が広がる
- 不要になれば、そのまま置いておけば自然に土に還る
東京都内では江戸川区が2020年から導入し、公園サポーターやボランティア活動のある公園・緑地を中心に設置しています。区の説明では、維持管理は住民のボランティアが担い、定期的な水やりと落ち葉の混ぜ返しが必要とされています。
出典と確度:
- 府中市「バイオネスト」(PDF)(市の一次資料・確度高)
- 一般財団法人公園財団「バイオネストとは・・・」(管理者の一次資料・確度高)
- 江戸川区「みどりのリサイクル(バイオネスト)」(区の一次資料・確度高)
なお、練馬区がバイオネストを制度として設けているかどうかを示す公的な資料は、確認できていません。写真の看板を誰が立てたのかも、記載を読み取れていません。
畑の脇の、落ち葉だけの山
2026年3月16日、練馬区内の農地で見たものです。
道に沿って、乾いた落ち葉だけで築かれた大きな山がありました。表面は灰色がかった茶色で、葉の形がまだはっきり残っています。
同じ敷地のハウスの手前には、葉の形が崩れて土に近づいた山がありました。表面には草が生え、細い枝が挿してあります。
落ち葉を林から畑へ運んで積み、堆肥にして畑に入れる。この流れは、武蔵野の落ち葉堆肥農法として330年続いてきたものと同じ形です。
見てきたものから読み取れる傾向
- 落ち葉の行き先には、出た場所の林に置く形(バイオネスト)と、畑へ運んで積む形(落ち葉堆肥農法)の二つが、同じ区内に並んで存在している
- どちらも、囲いや山という決まったかたちを持ち、置き場所が決まっている
- 手のかけ方には資料によって幅がある。公園財団は切り返しも菌の添加も不要と書き、江戸川区は定期的な水やりと混ぜ返しが必要と書いている
- 自治体の資料が挙げる利点は、堆肥ができることだけではない。現地で処分できること、昆虫の生息地になること、景観に馴染むこと、協働作業の場になることが並んでいる